トミー・リー・ジョーンズ似の男に誘拐される

夜道を歩いていたら車に轢かれた。

――意識が戻ると車の後部座席でゆられていた。
わたしはああ友人の車で眠り込んで夢でも見ていたかな、などと考える。 ぼっと景色を見やるが乗用車の窓からは暗闇と、遠くにぽっぽっと街の灯りが見えるだけだった。 そういえば私はどこへ向かっているのだろう?これはだれの車だ? 運転席の無口な男。 「お前は誰だ!」

わたしは後部座席から身を乗り出し運転席の男の顔を見る。 トミー・リー・ジョーンズ似の外人、無論わたしの知人にそのような者はいない。 「お前は誰だ!かえせ!」などと抵抗したがジョーンズはピストルでわたしを脅しそのまま連れ去った。

ジョーンズの家らしき所に着いた時には夜も明けはじめて、あたりは朝霧につつまれていた。 わたしはジョーンズの隙をうかがい逃げることに成功した。 ジョーンズはチェーンソーを持って追いかけてきたが、幸いその場所は知っている土地だったので逃げおおせることが出来た。

必死の思いで交番に駆け込む、今にもジョーンズが追いついてくるのではと気が気でないわたしを尻目に警官は非常に冷静に、淡々と調書を取っていてイラツク。 事情聴取が終り帰されることになった。 わたしはまだ不安だったが小さい交番でこれ以上いてもしようがないから、と警官は面倒くさそうに言っていた。 外はすっかり朝で小学生たちが登校して来ていた。 わたしはその流れとは逆の方に歩いていった。

途中で南海キャンディースのしずちゃんが歩いていたので、山里氏はどこで見つけたのか?と聞く。 滝の裏側で見つけたと教えてくれた。 髪型を維持する為に募金を募ってるらしいので角砂糖を何個かあげた。

おしまい